令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震において、氷見市では観測史上最大となる震度5強を記録しました。北大町や栄町、姿地区で液状化などによる建物の倒壊等が発生したほか、市内各所で家屋・土蔵等の損壊、寺社の石造物の倒壊、道路の破損、断水等が確認されました。
そうしたなか、発災直後から氷見市立博物館が取り組んだのが文化財レスキューです。文化財レスキューとは、被災し、著しい劣化が危惧される文化財を安全な場所に移し、必要であれば応急処置等を実施する作業です。対象となる文化財は、地域で大切に守り伝えるべき有形文化財(美術工芸品、古文書、古写真、考古資料など)および有形民俗文化財(生活用具、農具、漁具、信仰用具、職人の道具類など)を指し、指定文化財はもちろん指定を受けていない文化財も含みます。
氷見市では、氷見市立博物館が中心となって文化財レスキューを実施、1月以来、件数にして40件超、数千点におよぶ文化財を被災建物よりレスキューし、資料の受け入れを行ってきました。なかには、今年終戦から80年を迎える太平洋戦争に関する資料や、古文書、古いアルバム、その他氷見の歴史やくらしに関するものが多く含まれています。
被災地における文化財レスキューは、それら貴重な文化財を守り、後世に伝えていくために欠かすことのできない取り組みです。文化財レスキューによって寄せられた資料は、まさにこの地域の歴史を知るうえでかけがえのない「たからもの」であるといえるでしょう。
本特別展では、令和6年1月1日以降実施してきた文化財レスキューの取り組みのなかで、当館がレスキューし市民の皆様から寄贈・寄託されたさまざまな資料を紹介します。被災を乗り越えレスキューされた資料の数々を通じて、あらためて地域の歴史に思いをはせていただければ幸いです。

太平洋戦争関連資料

写真アルバム
会 場 |
氷見市立博物館特別展示室 |
会 期 |
令和7年10月17日(金)から11月9日(日)まで |
休館日 |
10月20日(月)・10月27日(月)・11月4日(火)
※11月3日(月)文化の日は臨時開館 |
時 間 |
午前9時から午後5時まで |
観覧料 |
無料。ただし、解説図録を実費販売します。 |
行 事 |
【資料解説会】
日時 : 令和7年10月18日(土) 午後2時より
会場 : 氷見市立博物館特別展示室
※事前のお申し込みは不要です。ご自由にご参加ください。
【図書コーナー】
図書館との連携事業のひとつとして、会期中特別展テーマに関す
る図書コーナーを閲覧室に開設します。 |
令和8年2月20日(金)~3月15日(日) |
令和7年度 氷見にゆかりの人シリーズ
特別展「冬木清展Ⅱ」―氷見ゆかりの画家の作品は今― |
氷見町南上(現氷見市本町)出身の冬木清は、竹内栖鳳や石崎光瑤に師事し、主に「玲華」と号して京都画壇で活躍した円山・四条派の日本画家です。
令和3年には、親族から清が京都の保津川の筏流しの様子を題材にして描いた「保津川筏下り」という六曲一双の屏風の寄贈をうけています。その際は、令和3年11月26日から12月5日までの期間で寄贈作品を中心にした特別公開を行いました。「保津川筏下り」が34年ぶりの公開となったこともあり、短期間ながら沢山の方に来場いただきました。
以降も改めて本特別展の開催に向けて、作品の整理作業や保存処理等を進めてきましたが、その間の令和6年1月に能登半島地震が起き、市内でも多くの方々が被災されました。当館も文化財レスキューを行い、被災の影響で絵画の管理が難しくなったお宅から様々な氷見市ゆかりの画家の作品の寄贈を受けることになりました。
今回の特別展が寄贈作品を含めて冬木清の作品を市民の皆様に改めて鑑賞いただく機会であるのは勿論、当館にとっても前回の特別展から20年以上が経ち、能登半島地震の影響をうけた方も多くいらっしゃる中で、氷見市ゆかりの作品の所在や状態の確認を行う貴重な機会になります。
更にこの特別展や事前調査が、市ゆかりの美術品を後世に伝えていくことの大切さを再確認いただく機会となることも期待しています。

雪上金閣

保津川筏下り
会 場 |
氷見市立博物館特別展示室 |
会 期 |
令和8年2月20日(金)から3月15日(日)まで |
休館日 |
2月24日(火)・3月2日(月)・3月9日(月)
※2月23日(月)天皇誕生日は臨時開館 |
時 間 |
午前9時から午後5時まで |
観覧料 |
無料。ただし、解説図録を実費販売します。 |
行 事 |
【資料解説会】
日時 : 令和8年2月21日(土) 午後2時より
会場 : 氷見市立博物館特別展示室
※事前のお申し込みは不要です。ご自由にご参加ください。
【図書コーナー】
図書館との連携事業のひとつとして、会期中特別展テーマに関する図書コーナーを閲覧室に開設します。
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