「応響雑記」は、氷見町の町役人を歴任した田中屋権右衛門が、三十三年間にわたって書き綴った日記です。その内容は私事のほか、毎日の気象・親戚知友の消息・町の行政や経済・藩庁への請願陳情・年中行事・災害・騒擾など多岐にわたり、江戸時代後期における氷見町の気候・政治・経済・文化・習俗を知る上できわめて貴重な史料です。
また、氷見町の出来事以外にも、金沢・江戸・京都・大坂のこと、さらに異国船に備えた海岸防備のことなどが記され、幕末へと向う当時の社会の様子をうかがうことができる史料でもあります。
「応響雑記」が平成30年に市指定文化財になったことを記念して、その全貌を初公開するとともに、加賀藩の町政関係資料とあわせて、近世の氷見町の様子を紹介しました。
|