氷見市立博物館では、平成23年度から「地域回想法」に取り組んでいます。
「地域回想法」とは、これまで認知症の非薬物療法として医療、介護現場で実践されてきた「回想法」のノウハウを活用し、地域で暮らす健康な高齢者の介護予防や生きがいづくりなどに結びつける取り組みです。博物館が数多く収蔵する民具は、高齢者にとってとても懐かしく、見て、触れることによってお互いの会話が弾み、笑顔があふれるなどの効果が知られてきました。
当館では、これまで継続してきた実践を通して、多くの高齢者が語る「思い出話」の集積と分析を行ってきました。それによって、戦前から戦後にかけての人々の暮らしが具体的に分かり、特に長年に渡って培われた、いわゆる「年寄りの知恵」と「生活技術」がいかに豊富であるかを教えてくれます。
この展覧会では、当館の「地域回想法」の実践の中で、これまで当館が収集した民具や古い写真などがどのように活用され、新たな知見が得られたかを広く周知するとともに、福祉部門と連携して、高齢化社会の大きな課題である認知症予防への効果を目指した取り組みについて紹介しました。
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