氷見市立博物館には、開館準備のころから35年以上にわたって収集してきたたくさんの民具があります。
民具とは、衣食住や生業など、私たちが毎日のくらしのなか使っているいろんな道具類のことをいいます。昭和30年代ごろまでは、日常生活に使われる多くの道具類は、その地域の職人の手によって作られ、また使い手自らが手作りをして、日々のくらしに役立ててきました。
ところが、工業製品や電化製品が広く各家庭に行き渡ると、私たちのくらしはがらりと変わり、全国的に一律化、画一化していきます。
当館が所蔵する様々な道具類は、農業や漁業などに使われたものや、衣食住に関する用具のほか、地域の職人が使った独特の道具類など多岐にわたります。それらは、この氷見地域でくらしを営んできた人びとの昔の生活の様子を知る大切な資料であり、モノに込められた知恵や工夫を現代の我々に教えてくれます。
この展覧会では、氷見で使われてきたさまざまな昔の道具たち―民具―を通じて、氷見の地域性を探り、あわせて少し前の時代の氷見の人びとのくらしと地域のありようについて紹介しました。
また、菓子木型をはじめとする菓子職人の道具や、竹細工職人の道具など、氷見のくらしを支えた職人の道具も初公開しました。
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