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郷土氷見にゆかりの作家シリーズの第8回展として、一昨年の「五十嵐久和展」、昨年の「村嶋酉一展」に続き、本年度は平成元年8月、京都大原にて亡くなった日本画家小松均を取り上げました。
小松均は、明治35年1月、山形県亀井田村豊田深堀の曹洞宗延命寺に生まれ、幼くして父と死別。上京して初め彫刻家を目指すが、後に絵の道に進むべく川端画学校に学びます。大正12年、中央美術展に「嫁して行く村の乙女」が初入選した後、京都に移って土田麦僊に師事します。
昭和4年第10回帝展に、「渓流」を出品し、初入選。この頃より水墨画を画き始め、翌11年帝展に出品した「櫟林」が特選となりました。
戦後は、京都大原での作画三昧のなかで、四季折々に変化する大原風景の連作のほか、故郷最上川や富士山の連作、さらに近年の岩山のシリーズなどの大作を毎年発表し、昭和61年文化功労者の表彰を受けました。
その間、昭和10年から昭和14年頃にかけて度々氷見町をはじめ、灘浦の中波や宇波、熊無村新保に長らく留まり、浜に水揚げされたばかりの新鮮な魚や、滞在先の山野と草花などを題材として、繊細・優美な描法による数多くの作品を画き残しました。
本展覧会では、主に昭和10年から14年頃の均の青年時代の作品を中心に、昭和40年前後に画かれた作品も加え、65点余を展示・紹介しました。 |
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主な展示作品
「春夏秋冬」(昭和12年頃)
「四君子」(昭和11年頃)
「鰤」(昭和10年)
「鱸」(昭和11年)
「中波上野秋色」(昭和10年頃)
「櫟林」(昭和11年頃)
「福来魚」(昭和14年)
「鯰」(昭和11年)
「倶利迦羅龍王」(昭和24年)等。 |
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「小松均展」展示風景 |
会 場 |
氷見市立博物館特別展示室 |
会 期 |
平成2年10月26日から11月18日まで |
観覧料 |
無料。ただし、解説図録を実費販売。 |
図 録 |
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『特別展 小松均展』
H2年10月発行、B5判、24p、100円。
(表紙:カラー、本文:モノクロ、カラー図版2p) |
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