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氷見の民俗・考古シリーズ
特別展「氷見と樹の文化史」―木工技術からみる氷見―
 
一方を海、三方を丘陵に囲まれた氷見市は、森林率が59%を占め、そのうちの半分以上は広葉樹の天然林で構成されます。古来、この地域に住む人びとは、身近な丘陵部の森林資源を活用し、生活を営んでいました。

 そうした状況は遺跡の発掘調査で出土する木製品や、その樹種鑑定、花粉などによる植生の分析などによって明らかとなります。植生は時代によって変遷し、樹木の利用もまた時代によって変遷します。さらに樹木利用の変化は、木材を加工する道具の変遷ともリンクするものでありました。

 木は農具や漁撈具、生活用具などの材料としても欠かせない存在であり、多くの民具が木で作られています。古くは使い手自らが木で道具を製作していたが、後には木工を専業とする職人が生まれました。氷見の漁業に欠かせない船大工や艪大工、戦国時代末期以降氷見を拠点とした宮大工集団である大窪大工など、木工技術を生業とする人びとが氷見のくらしを支えました。

 遺跡出土の木製品や民具からは、木材を加工する技術、木を組んで接合する技術など、多様な木工技術を読み取ることができます。また、船大工をはじめ木工職人が用いた用具類なども多く残されています。それらはまさしく、木と共に、木を利用して生きてきた人びとの営みの表象なのでしょう。

 そこで令和6年度の特別展では、人びとのくらしと密接に関わってきた木工技術をテーマとし、遺跡から出土する木製品や民具などを通じて、人びとと木々の関わりについて紹介しました。
 


特別展示室風景

会 場 氷見市立博物館特別展示室
会 期 令和6年10月18日(金)から11月10日(日)まで
休館日 10月21日(月)・10月28日(月)・11月5日(火)
11月3日(日)文化の日および4日(月)の振替休日は臨時開館
時 間 午前9時から午後5時まで
観覧料 無料
行 事 【資料解説会】
 令和6年10月19日(土) 午後2時30分より

【図書コーナー】
 図書館との連携事業のひとつとして、会期中特別展テーマに関する
 図書コーナーを閲覧室に開設。
図 録

『特別展 「氷見と樹の文化史」―木工技術からみる氷見―』

A4判 52p、500円。
(全編カラー図版)

チラシ 特別展「『氷見と樹の文化史』―木工技術からみる氷見―」

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