ある地域で特にすぐれた八か所の景色を八景といい、中国宋代の画家宋迪(そうてき)が、景勝地として名高い瀟湘(しょうしょう)周辺を描いた八枚の絵画に由来すると伝えられます。瀟湘八景の絵画や詩は鎌倉時代に日本へ伝わり、画家や五山僧の題材として展開する一方で、国内各地にそれに倣った八景が次々に誕生しました。特に近江八景、南都八景、金沢八景、松島八景などが有名です。
氷見地域でも、古くは有磯八景、灘浦八景、加納八景などさまざまな八景があり、絵画や文芸の題材として取り上げられてきました。これらの氷見の八景は、現在でも景勝地として市民や観光客に親しまれている場所である一方で、すでに忘れ去られている場所も多いです。
本特別展では、氷見のさまざまな八景を取り上げ、なぜその場所が景勝地として取り上げられたのか、その後どのように移り変わったのかを、絵図や古写真などとともに紹介しました。
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