
台木 : 全長117.5cm (クリ材)
歯 : 11本・全長60cm (装着状態で45cm)
柄 : 全長52cm (装着状態で43cm)
年代 : 7世紀前半
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馬鍬とは、馬や牛に引かせて水田の代掻きを行う農具で、古墳時代の前期に大陸より伝来し日本各地に広まったとされます。
平安時代には歯が木製から鉄製に転換しましたが、ほぼ同じ形のものが昭和30年代頃まで使用されていました。木製の歯を持つ馬鍬は全国で三十数例の出土が確認されています。
稲積川口遺跡から出土した馬鍬は、近代まで使われた台木の上部に鳥居型の柄がつく馬鍬とは違い、台木の後ろ側に伸びる柄が残っていました。
同様の馬鍬はこれまでも出土例があったのですが、柄の形状が把握できる資料としては、この馬鍬が全国初の出土となります。柄だけでなく全体に保存状態は良好で、当時の木工技術を知る上でも好資料といえます。
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