対馬暖流 の影響を強く受ける氷見地域では、内陸部に位置する五箇山 地域ほどではありませんが、秋仕舞 が終わって12月に入ると積雪のため田仕事や畑仕事ができなくなります。
そのため、農家では外仕事のできない冬場の副業としてムシロ打ちや縄 ない、ワラジやツブラ(藁籠 )編みなど藁仕事 に精を出しました。
藁仕事はたいてい板敷きのオイ(広間)で行われ、明かり取りを兼ねたエンナカ(囲炉裏 )の火は夜鍋 仕事の寒さよけのため無くてはならないものでした。
また、ホンコサン(報恩講 )や嫁取り(婚礼)、法事など冬場の客呼びやモノゴトの日(行事日)には、炭火を熾 した木製や陶製の火鉢 が暖房具として使われたりしました。
一方、町方では家族の団欒 の場である茶の間ではおもに床に炉 を切った掘りごたつが一般的でしたが、各部屋へ自在に持ち運びができるネコゴタツ(行火 ごたつ)も重宝されました。ネコゴタツには熾した炭や豆炭が入れられました。
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