常設展示室の「氷見の民家」では、季節ごとにしつらいを変えています。秋には、秋祭りのしつらいになっています。

 氷見地域では、9月から10月頃にかけて、市内一円で秋祭りが催されます。会社勤めの人が多くなった近年、休日や祝日に合わせて祭礼日が変更されていますが、少し前の時代までは、在所[ざいしょ](集落)ごとに稲刈りなど農作業が一段落する9月から10月の特定の日を祭りの日と定め、親戚一門衆や親しい人たちとの間で互いに客呼びを行い、盛大に秋祭りを祝いました。

 とりわけ、上庄谷[かみしょうだに]方面では秋祭りの日に合わせて獅子舞が出されることが多く、家々では何日も前からゴッツオ(ご馳走)の準備をして大勢の客を迎えます。

 座敷には黒塗りの脚付き膳が並べられ、膳上の黒塗り椀にはオコワ(赤飯)や豆腐汁のほか、お平として丸揚げや野菜の煮〆[にしめ]が黒塗り椀で供されます。

 また、こうした精進物以外にも旬のフクラギ(ブリの若魚)やマイカ(スルメイカ)の刺身、ハチメ(メバル)のオザシ(お頭付きの焼物)などが皿盛りにして出されます。

 さらに、膳外にはゼンマイやワラビ、フキの煮たが(煮物)や豆腐の白和えのほか、大きなチャンバチ(平鉢)にはダイコンとニンジンのオスワイ(酢和え)や打豆を入れたクサギの煮たが(煮物)などが盛られます。


ページの先頭へ
Copyright (C)2007 Himi City Museum. All rights reserved.

氷見市立博物館  〒935-0016 富山県氷見市本町4-9  TEL : 0766-74-8231 /
FAX : 0766-30-7188 / E-mail : hakubutsukan@city.himi.lg.jp