地域活動活性化講座(広報力向上編)の概要
8月25日土曜日に開催された地域活動活性化講座(広報力向上編)
[講師:特定非営利活動法人市民活動サポートセンターとやま 代表理事 能登 貴史氏]の概要は以下のとおりです。
ジョハリの窓の未知の窓を解放しよう!
「ジョハリの窓」とは、他者との関係から自己への気づきを促し、コミュニケーションの円滑な進め方を模索するためのツールとして提唱された心理学モデルのことです。
ジョハリの窓

ジョハリの窓は上図のように自分自身を、四角の枠と縦横の格子で仕切られた4つの領域 - ”窓”に見立てます。
縦の格子は自己について自分が知っている領域と知らない領域とを、横の格子は自己について他人が知っている領域と知らない領域とをそれぞれ隔てるものと考えます。
一般的に「1.開放の窓」の領域が大きい場合、対人関係が良好となり、コミュニケーションの円滑化を図ることができます。
これを地域活動に応用してみましょう。
例えば、自分(=地域)の取り組みや地域資源について、「1.開放の窓」に該当する資源については自分も他人も知っているので、このまま継続して取り組んだり、資源の情報を発信したりして開放の窓の領域を拡げていきましょう。
また、自分たちは知っているが、他人が知らないような取り組みや資源については、より一層情報発信するなどの広報力を強めましょう。自分たちしか知らない情報を他人が知ることになることで、「3.秘密の窓」の領域が狭まり、結果として「1.開放の窓」の領域の拡大につながります。
そして、自分を情報発信し続けると、そのうち他人が自分の知らない(自分が当たり前だと思っていた)地域の魅力を教えてくれるようになります。つまり、他人が自分の盲点について教えてくれることで、「2.盲点の窓」を開放し、それが結果として「1.開放の窓」の領域の拡大につながります。
このように「1.開放の窓」の領域が拡大し、他人とのコミュニケーションが円滑になることで、自分も他人も知らない地域の必要な取り組みや資源について、新たな発見があるかもしれません。
つまり、それは「4.未知の窓」の開放につながります。
ITを使いこなそう!
さきほどのジョハリの窓の「4.未知の窓」の開放にあたって、自らの活動や資源についての情報発信が必要であると説明しました。この情報の発信がとても重要であることはみなさんもご認識であると思いますが、情報を発信する際に、みなさんはITを使いこなしていますでしょうか?
経理や売上・在庫管理等や、ホームページや広報物の作成等は、手作業よりもパソコンを用いた方が、正確でかつ効率が上がります。一方で、ブランディングやコンセプトづくり等の企画には人が手をかけなければなりません。このように現代社会では人がやらなくてはいけないこととIT(パソコン)に任せればよいことに切り分けて作業してなくてはなりません。そして、ただ、ITを使うことではなく、例えば、情報発信の際にはITを使い分けなくてはなりません。
情報発信には、電子メール、ブログ、Twitter、facebook等様々なメディアやサービスがありますが、みなさん、ターゲットや内容等を整理して使いこなしていますか?ターゲットを例に挙げると、ブログは不特定多数が閲覧でき、見る人をよくも悪くも選ぶことができません。一方で、facebookであれば、設定次第で閲覧をコントロールできます。
そして、これからの時代、民間や財団法人等の補助金や助成金を獲得するためには、自団体のホームページがあることが申請の条件になっているものもあります。団体のホームページが存在し、情報発信を継続していることで、これまでの団体の取り組みを確認でき、事業の経過や実施報告等の説明責任を果たしていることになります。
このように、今の時代の情報発信に、ITは欠かすことができない技術です。
インターネットが起こす社会の変化 先程までITを使いこなそうということで、ブログやfavebook等の様々なメディアやサービスを紹介しましたが、これまでのようなチラシ等の広報物からITを活用した情報発信の変化はインターネットが引き起こした社会の変化のひとつです。みなさんの中にはこのような変化になかなかついて行けないと思うこともあると思います。ですが、このような変化は、今新しく起こった変化でしょうか?
現代の社会では、
- 資本主義に基づく社会(すべてのサービス、全ての物は有料で、お金が基本。)
- 縦社会・ピラミッド構造(すべてを上下の階層の中で物事を整理している。)
- 競争社会(競争の原理を元に、お互い競い合っている。)
となっていますが、インターネットの社会では、
- シェア(情報や知識のやりとりでお互いの持っているものを共有している。)
- フラット(その匿名性からお互いの上下関係を意識しない関係性。)
- リンク(お互いが繋がることで、共存している。)
を実現しています。今、紹介した、1~3は新しい変化でしょうか?
私は新しい変化と考えておりません。むしろ日本に昔からあったものだと考えています。
つまり、
- おすそ分け(=シェア)
- お互いさま(=フラット)
- 支え合い(=リンク)
のように、古き良き日本の風習であると考えています。
これらは、高度経済成長によって現代の社会が作られたときに、失ってしまった日本の大切なものではないでしょうか?
しかし、インターネットによって、今再び古き良き日本の風習が注目されています。
魅力を(再)発見しよう!
情報発信は手段であり、目的はその地域の魅力や強みを他人に知らせることであると思います。
しかし、地域によっては「魅力はない」といった悲観的な考えをもつところは少なくないと思います。
では、本当に魅力はないのでしょうか?
このようなときに、ブレインストーミングを活用しましょう。
ブレインストーミング(ブレスト)とは、他人同士の頭脳(Brain)を嵐(Storm)のようにかき混ぜるようなイメージのアイデア発想法です。集団でアイデアを出し合うことで、一人では考えつかない発想を組み合わせて、斬新なアイデアが生まれることを期待した会議手法です。
そこで、まずはご自身の能力について、このブレストを活用して、列挙してみましょう。
みなさんはこれまでの経験や資格、趣味や特技などを少なからずお持ちでしょう。
しかし、その情報は他人が知っているようで、実は知りません。改めて自己紹介をする気持ちでブレストを活用して気軽に列挙してみましょう。
次に列挙したご自身の能力を、マトリクスを使って整理しましょう。その際に自信があるか(縦軸)と市場価値(横軸)として設定し、列挙した能力を振り分けましょう。その際は他の人の意見も参考にした方が新たな発見が生まれます。
例えば、「料理の腕に自信あり」ということは、これまで、自分または家族のための能力かもしれませんが、地域の食材等の資源に活用すれば、新たな特産物が生まれるかもしれません。
つまり、市場(地域内)価値は高いと言えます。
また、もう一つ例を挙げれば、重機等免許をもち、その操作については、業務上必要で身につけた能力であると思いますが、その能力は、地域の道路や水路のちょっとした工事の際にも活かすことができます。
これも、地域にとっては市場価値が高いと言えると思います。
このようにマトリクスを使って整理したご自身の能力を同じ地域の方に共有することで、地域の資源や魅力の再発見につながると思います。ぜひ、みなさんの地域で実施されてはいかがでしょうか?
参加者の声(アンケート)をご紹介します!
- 情報発信についてはこれまでメール(メーリングリスト)を使っていたが、今後はfacebookを活用したいと思う。
- 自分の知らない魅力や能力は自ら情報発信することで、他人に発見してもらうことができることがわかった。
- 今回の講座で学んだことを地域に持ち帰って活かしたい。
講座の様子

更新日:2020年03月27日