今年度の特別展

特別展 「氷見と樹の文化史」―木工技術からみる氷見―

     令和6年10月18日(金)~11月10日(日)

 一方は海、三方を丘陵に囲まれた氷見市は、森林率が59%を占め、そのうちの半分以上は広葉樹の天然林で構成されます。古来、この地域に住む人びとは、身近な丘陵部の森林資源を活用し、生活を営んでいました。

 そうした状況は遺跡の発掘調査で出土する木製品や、その樹種鑑定、花粉などによる植生の分析などによって明らかとなります。植生は時代によって変遷し、樹木の利用もまた時代によって変遷します。さらに樹木利用の変化は、木材を加工する道具の変遷ともリンクするものでありました。
 
 木は農具や漁撈具、生活用具などの材料としても欠かせない存在であり、多くの民具が木で作られています。古くは使い手自らが木で道具を製作していたが、後には木工を専業とする職人が生まれました。氷見の漁業に欠かせない船大工や艪大工、戦国時代末期以降氷見を拠点とした宮大工集団である大窪大工など、木工技術を生業とする人びとが氷見のくらしを支えました。

 遺跡出土の木製品や民具からは、木材を加工する技術、木を組んで接合する技術など、多様な木工技術を読み取ることができます。また、船大工をはじめ木工職人が用いた用具類なども多く残されています。それらはまさしく、木と共に、木を利用して生きてきた人びとの営みの表象なのでしょう。

 そこで令和6年度の特別展では、人びとのくらしと密接に関わってきた木工技術をテーマとし、遺跡から出土する木製品や民具などを通じて、人びとと木々の関わりについて紹介します。



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おしらせ

氷見市文化財センター一般公開のおしらせ

平成27年3月2日に国登録有形民俗文化財になった「氷見及び周辺地域の漁撈用具」のほか、神通川の笹舟とその部材、農具などの民俗資料(民具)を見学できます。
学芸員が随時解説を行います。

場所:氷見市文化財センター
  (氷見市中田645番地:旧女良小学校)
  ※申込み不要、入場無料

【令和6年度 氷見市文化財センター開館日について】

 令和6年度能登半島地震による被害のため、9月までの開館を休止します。10月以降につきましては、詳細が決まり次第お知らせいたしますのでご了承ください。

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【文化財レスキュー】令和6年能登半島地震に伴う文化財レスキューのお知らせ

被災した家屋や蔵などに古文書や民具など氷見市の歴史を知るうえで大事な資料が残されている可能性があります。もしそうしたものがありましたら氷見市立博物館までご一報ください。ささいな情報でも大丈夫です。地域の歴史を未来に残すためにも、よろしくお願いいたします。
※文化財レスキューとは
文化財レスキューの対象となる文化財は、地域で大切に守り伝えるべき有形文化財(美術工芸品、古文書、古写真等の動産文化財)および有形民俗文化財(生活用具、農具、漁具、信仰用具、職人の道具類などいわゆる民具)を指し、指定文化財はもちろん指定を受けていない文化財も含みます。文化財レスキューとは、被災し、著しい劣化が危惧される文化財を安全な場所に移し、必要であれば応急処置等を実施する作業です。
氷見市では、氷見市立博物館が中心となって文化財レスキューを実施し、資料の受け入れや保管を行う予定です。

【問い合わせ先】 
(1)電 話 番 号 0766-74-8231
(2)メールアドレス hakubutsukan@city.himi.lg.jp

氷見市文化財レスキューのお願い

氷見市「孫とおでかけ支援事業」に参加しています!

氷見市立博物館に、お孫さんとおじいちゃんやおばあちゃんが一緒に入館する場合は、入館料が無料になります。
お孫さんと氷見を発見する楽しいひとときをお過ごしください。
※平成28年4月29日(金)より実施。
※市外の方も無料です。