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食を通して、“生きるよろこび”を伝えたい 〜「イタリアンキッチン・オリーブ」梶敬三さん、明美さん〜(おらっちゃ広報vol.9)

更新日:2017年12月18日このページを印刷する

イタリアンキッチン

私たちにとって、“食”とは一体何でしょうか。ただ空腹を満たすためのもの? お金を払えば得られるもの? どこの素材で誰がどんな風に作っても、そして、誰と食卓を囲んでも、レシピが同じならみんな一緒?

現在、食の安全・安心や地産地消が求められる中、地域とのつながりの中から、“心を豊かにする食のあり方”を広めているご夫婦がいます。十二町にあるイタリアンキッチン「オリーブ」の梶敬三さんと明美さん。食べることは、生きること。氷見の“食”をテーマにお二人が展開する様々な活動から、人生を楽しく彩る“幸せのレシピ”を見つけましょう。

オリーブ店内1
オリーブ店内2

“食”で結ばれ、ともに歩んだ豊かな歳月。

“野菜がおいしいイタリアン”をコンセプトに、氷見の土壌で丁寧につくられた野菜など、地元産の食材にこだわる「オリーブ」では、エントランスから野菜たちがお出迎え。ガラス戸を開いて店内に入ると、そこには、あたたかい木の空間が広がっています。

オリーブ店内のボード

壁のボードには、「オリーブ」で味わうことのできる季節の野菜と、それらを育てた生産者さんの名前が記されています。

このように、“食”の安全・安心はもちろん、地元とのつながりも大切にしながら、訪れる人たちに旬の味覚を届ける敬三さんと明美さん。そんなお二人が出逢ったのは、敬三さんが最初に営んでいた、レコードやライブ演奏で音楽を楽しむ喫茶「サウンドピット」でのこと。そこへ、明美さんがアルバイトに訪れたのが、はじまりでした。

その後、軽食喫茶を経て、今のお店は3店舗目。2004年12月にオープンし、今年で14年目を迎えようとしています。

そのように、長い年月をともに歩んできたお二人は、“地域の食”というテーマで結ばれながら、現在では、それぞれに多様な活動を行っています。

無農薬有機野菜の地域内循環を目指す「氷見元気やさいの会」、地域に伝わる食の知恵を次世代につなげる「氷見クッキングスマイル」「Loco Food Lab.」、氷見カレーによって飲食店同士の横連携を促す「氷見カレー学会」、そして、食育を通して子どもたちに“生きる力”を伝えていく「キトキトごはん氷見」など、本業のレストランを営みながら、実に盛りだくさん。

大変ではないですかと尋ねると、「仲間たちと一緒に行っているので、支えられて何とか」と、二人で笑い合います。

敬三さんの願い─、つながりの中で氷見全体がしあわせに。

「ブリヤベース氷見カレー」と書かれたメニューボード

お店には、「ブリヤベース氷見カレー」と書かれたメニューボードが飾られています。

ブイヤベースではなく、“ブリ”ヤベース。ブイヤベースとは、南フランスの漁師町の郷土料理で、地中海の魚介類を煮込んで作ったスープのことを言いますが、「ブリヤベース」は、氷見のオリジナルです。新鮮だけれど市場の規格に合わない小魚などを丁寧に下処理して、氷見産の煮干しとブリの骨で出汁(だし)を取り、お店によってはブリの切り身も少々添えて。

そうやって作られた「ブリヤベース」のスープをもとに、みんなが大好きなカレーを掛け合わせることで誕生した “新しい郷土料理”。それが、「ブリヤベース氷見カレー」です。

店内で調理する梶敬三さん

このご当地カレーを通して、市内の飲食店などによる横連携や、生産者とお店のつながりを促しているのが、敬三さんが代表を務める「氷見カレー学会」です。ひみまつり、ひみ永久グルメ博、金沢駅前カレーフェスティバルなど、市内外のイベントにも積極的に参加し、国民食ともいうべきカレーを通して、氷見の“食”が持つ可能性の裾野を大きく広げていっています。

「こういう“共通のスープ”を作り、育てていく取り組みそのものによって、それまでは挨拶を交わす程度の仲だった地元の飲食店同士が、ひとつにまとまることができたということ、それが何より嬉しかった」と敬三さんは話します。

そして、「個別の店や個人でなく、全体で発展していく。そういう氷見であってほしいと思っています」と続ける敬三さん。その言葉には、氷見へのまっすぐな願いが感じられました。

キトキトごはん氷見に取り組む梶明美さん

明美さんの想い─、体験を通して伝えたい、「食べることは生きること」。

明美さんが今、力を注いでいるのが、子どもたちへの“食育”を行う「キトキトごはん氷見」の活動です。

「きっかけは、このお店で子どもたちの食事の風景を、多く目にするようになったことです。“食”を、ただ空腹を満たすためのものとして見ているのか、それ以上の興味をもって眺めているのか。食べ方も、本当にいろいろ。“食”に対しての関わり方は、家によって、まったく違うんだなと実感しました」

そんな時、明美さんは“食育”に関する市の養成講座があることを知りました。お店があるからと二の足を踏んでいたところを、敬三さんの「いってこられ、できるわいね」の背中押し。そうして出逢ったのが、神戸の食育・料理研究家である坂本廣子さんでした。

「坂本先生のお話の中で、『今の子どもたちは道草すら食わない』という言葉が、すごく印象に残っています。私は鍵っ子で寂しい子ども時代を過ごしたなって思っていたんですけど、先生のお話を聞いたら、あ、ひょっとしたら、私の幼少期は幸せだったのかなって。ぱーっと明るくなったが」

食べることは生きること。

道草を“食べる”ことだって、学校の授業だけでは得ることのできない、数々の発見と体験を得られる、かけがえのない時間だったのです。だから、明美さんは、今の子どもたちに、とにかく豊かな体験を届けてあげたいという想いで、今では「キトキトごはん氷見」の代表を務め、会の活動に笑顔で勤しんでいます。

「ゆっくり根」と書かれた店内の販売コーナー

そこにある幸せを感じられる心を育んで。

そんな梶さんご夫婦の共通点は、個人の利益や物質的な豊かさではなく、地域・人とのつながりの中で育まれる“楽しさ=心のよろこび”に意識を向けているということ。敬三さんは言います。

「あれ欲しい、これ欲しいと、“ないもの”を見て不満を漏らすより、普段の生活に“あるもの”の中から、満足できる価値を探していく。そんなことが大切なのかなと思います」

この言葉に象徴されるように、敬三さんと明美さんは、“食”の活動を通して人と地域をつなげながら、日々、“楽しさ”の輪を広げています。

これからの夢を語る敬三さんと明美さん

つながりが、氷見の“食”をより豊かに。

お二人にこれからの夢を伺うと、敬三さんは、「生産者と飲食店、民宿をつなげて、お互いの連携を深めていきたい」と、穏やかな口調で応えてくれました。「そうして、地域内での野菜の生産・消費サイクルを整えられれば、例えば、畑や田んぼで小商いをと考える移住者たちを少しでもサポートできるのでは、と思います」

一方、明美さんは、「ひとりでも多くの子どもたちに、“本物の食”を体験させてあげたい」と話します。「だから、料理教室だけでなく、キッチンカーを使って、こちらから体験を届けてあげられればいいなと思っています」

敬三さんと明美さんが、活動の際、特に大切にするのが、“つながり”と“体験”です。これは、どちらも人の存在があってこそ。あなたも、梶さんご夫妻の活動に関心を寄せ、そして、つながり、楽しい体験を共有してみませんか。

 

 

■「イタリアンキッチン・オリーブ」のFacebookページは こちらより

■「氷見元気やさいの会」のFacebookページは こちらより

■「Loco Food Lab.」のFacebookページは こちらより

■「氷見カレー学会」のホームページは こちらより

■「ブリヤベース氷見カレー」が楽しめるお店については こちらより

■「キトキトごはん氷見」のFacebookページは こちらより

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〒935-8686 富山県氷見市鞍川1060番地  Tel:0766(74)8011 Fax:0766(74)8255 お問い合わせ

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