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【物語】人も自然も活かし合い、みんな笑顔になるビジネス〜「氷見ぶーぶーファーム」北林社長、竹岸さん、東海さん〜(おらっちゃ広報vol.16)

更新日:2018年8月23日このページを印刷する

これからのビジネスは“競争”ではなく“共創”、とよく言われるようになりました。ここ氷見でも、より安全・安心な食の追及をきっかけとして、自然を活かし、たくさんの人と人が関わり合いながら、共創で新たな価値を生み出すビジネスを考えている企業があります。「株式会社ビルドアップサービス」が2015年から取り組んできた新規事業、「氷見ぶーぶーファーム」。

上余川に広がる豊かな里山空間に、38頭(2017年1月取材時)の豚さんが元気いっぱい走り回っています。これらの、自然いっぱいのなかで健康的に育った豚さんたちを、安心・安全で美味しい「氷見 自然豚」として供給しているのです。

かつては小さな養豚場が県内各地にあり、1990年(平成2年)には160戸だった養豚農家も、2014年(平成26年)にはたったの18戸に(※)。そんな中での養豚場の立ち上げは、実に県内で30年ぶりだったといいます。

今回は、この放牧豚事業に取り組むお三方、「(株)ビルドアップサービス」取締役、北林延元社長、里山開発事業部の事業本部長の竹岸さん、そして東海さんにお話を伺いました。本業は建設用・建築用金属製品製造業を営むこの会社。北林社長は、「鉄骨もつくれる養豚場」と笑います。“氷見 自然豚”による、新しい共創ビジネスへの夢。知れば知るほど引き込まれるそのワクワクを、みんなで共有してみませんか。

 

※参照:富山県HP「とやまの畜産関連計画について」

氷見ぶーぶーファームの遠景

画像提供:氷見ぶーぶーファーム

 

ストレスフリーの「氷見 自然豚」。

養豚場のイメージというと、小屋のなかに豚がひしめきあい、いつも鳴き声が聞こえて、遠くからでもにおいでわかる…、そう考える方も多いでしょう。

ところが、「氷見ぶーぶーファーム」の豚さんたちは違います。広大な耕作放棄地を思う存分駆け回り、好きなときに飼料やそこに生えている草を食べ、のびのび幸せそう。においも鳴き声もまったく気になりません。

 

ぶーぶーファームの豚さんたち

画像提供:氷見ぶーぶーファーム

 

北林社長と竹岸さんは、こう言います。「土を耕してその土も食べてますから、土の中にある乳酸菌を体に摂取し、草から繊維質もとるので、腸内環境がいいんです。ストレスもなく、自由に走ってる子たちが、それによって筋肉も付けて。肉の味が美味しいんです。ストレスがないから、脂の均等さもある」

それにしても、建築鉄骨工事・設備工事などが本業なのに、なぜ放牧豚の事業を始めたのか?と不思議に思われる方もいるでしょう。それは、もともとは、アレルギーに悩まされ、今では“健康オタク”を自認する北林社長が、安心・安全な食べ物を追求していく過程でひらめいたビジネスだったのです。

豚を放し飼いで育てる“放牧豚”は、もともとイギリスで子豚生産の技術としてはじまり、ヨーロッパでは今も、生産される豚の多くがこの方法で生産されているそうです。一方日本では、なかなかこのような取り組みが確立していません。ほとんどの養豚場では、コストや生産・流通効率などの観点から、畜舎の中でエサを与えて育て、半年間で体重が110kgくらいになったら出荷されます。

一方で、「氷見ぶーぶーファーム」の豚さんたちは、先ほどの北林社長と竹岸さんの言葉どおり、ストレスフリーで抵抗力も強い、とっても健康な豚に育ちます。そして、自然の中で160~170kgになるまでゆっくりと育ててから出荷しています。実は、豚はとっても精神的にデリケートな動物らしく、このようにのびのびと育てることで、きめ細かさや柔らかさなどの面で、肉質が通常の豚とは大きく異なってくるのだそうです。

しかも、この方法は、ただ美味しい豚を生産するだけではありません。豚は、”美味しいトラクター”と言われるくらい、表面の草だけでなく土までも掘り返し、いい具合に土を耕してくれます。だから、耕作放棄地で飼えば、自然とその農地が耕され、栄養たっぷりの農地にもなる“おまけつき”というわけです。

自然の中でストレスフリーな豚さんたち

画像提供:氷見ぶーぶーファーム

 

そこにあるものを生かす、という発想。

「当初の計画から、どんどん進化しているんです」
そう言って北林社長がニヤリと笑うと、東海さんも「そうですね、話が盛り上がっているので、一緒に突き進んでいくしかないですね」と、続けて笑います。

豚を肥育して美味しい豚肉を生産し、その過程でできた栄養たっぷりの農地で美味しい野菜を生産し、農業のサイクルを作る。そして増えつつある他の耕作放棄地でも、同じモデルを展開していく。その過程で新たな雇用も生まれる─、スタート時点では、そこまでの構想だったといいます。

「実際に肉を世の中に出してみたら、東京を含めてあちこちから非常に高い評価を受けているんですよ。実は今、いろんなところから、色いろんな話が来てまして」

餌を食べる豚さん

画像提供:氷見ぶーぶーファーム

 

 

氷見ぶーぶーファームの豚肉

画像提供:氷見ぶーぶーファーム

 

例えば、豚さんたちの飼料。現在は、自然の牧草などに通常の配合飼料も併用されていますが、市内外の事業者から出る余剰物=地元の食材(果実の搾りかすや酒粕、麺類、農産物等)を活用するというアイディアが出ているそうです。実現すれば、みんながお金をかけて産業廃棄物として処分しているものを、お金をかけずに有効活用することができます。

それから、市内で空き家となっている古民家の活用。目や舌の肥えた本物志向の方をターゲットにした、オーベルジュ(宿泊型のレストラン)を展開するというアイディアです。海が見える庭でBBQ(バーベキュー)ができて、氷見の美味しい食材を一流シェフが調理してくれて、星空を見ながら生演奏を聴いて…。氷見を拠点として近隣の観光や体験をサポートする体制も作れば、1泊だけでなく、より長く滞在してくれるかもしれません。「いい古民家があったら、すぐにでも始めたい!」と北林社長は意気込みます。

ホースからの水を浴びる豚さん

画像提供:氷見ぶーぶーファーム

 

 

どんな人でも関われる、可能性の宝庫。

このように、氷見にある“余っているもの”や“活用できていないもの”などと、この放牧豚の事業を掛け合わせることで、新たな価値が生まれる可能性はいくつもありそうです。当然、人手もたくさん必要になります。全体の企画や広報はもちろん、加工に携わる人、オーベルジュの立ち上げに携わる人、アーティスト、アニマルセラピーをする人などなど…。

北林社長は言います。
「このプロジェクトの中で、どんな人でも、だいたい関われると思います。どの部分でも、どんな方々でも」
雇用という形でも、そうでなくても関われる形が、いろいろ考えられそうです。

 

美味しそうに水を飲む豚さん

画像提供:氷見ぶーぶーファーム

 

例えば、もし活用していない山があるなら、「氷見ぶーぶーファーム」が設備や豚をその方に貸し出し、大きくなったら豚を買い取る、というシステムを考えているそうです。飼育方法は事前に指導が必要となりますが、「毎日餌をやって豚が逃げたりしていないか頭数を数えてもらって、草が生えていたら刈るくらい」だということで、ちょっとした副業や、定年後の新たな仕事としても需要がありそうです。

また、もしオーベルジュが実現したら、楽器を演奏できる人は、宿泊客のために演奏会を開くことができるかもしれませんし、古民家改修に興味がある人は、そのオーベルジュの改修プロセスに関わることもできるかもしれません。

 

ドリプラ2016

 

「氷見市ドリームプラン・プレゼンテーション2016」でも夢が語られましたが、耕作放棄地や空き家が生かされ、安心・安全で美味しい肉や野菜が生産でき、新たな雇用や交流が生まれて、人の流れが活発化する─。そんな未来図が現実となる日も、ひょっとしてそう遠くはないのかもしれません。

安心・安全な食の追求が、地域の幸せにもつながっていく仕組み。豚さんを通じて、一緒に思い描いてみませんか。

 

 

 

■「放牧豚の氷見『ぶーぶーファーム』」のホームページは こちらより

■東海さんが登壇した「氷見市ドリームプラン・プレゼンテーション2016」については こちらより

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〒935-8686 富山県氷見市鞍川1060番地  Tel:0766(74)8011 Fax:0766(74)8255 お問い合わせ

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